織物の聖地、京・西陣。
かつてはいたるところで機織りの音が聞こえ、帯地を中心に、盛んに織物が生産されていました。しかし現在では、その多くが西陣以外の場所で、そして、機械式織機によって生み出されています。“西陣・手機”の帯地に拘る、のこり僅かな機屋。その中で、今回は滋賀喜織物(しがきおりもの)をご紹介します。
京都・大宮通今出川、まさに西陣の中心で滋賀喜の帯は織られています。玄関を入り、帳場を抜けた廊下までくると、その先の機場から小気味よい機織りの音が聞こえてきます。
「うちは手機(てばた)だけです。昔からそれだけしか出来ない。」工房を案内してくださった、当代の岩佐さんが仰られました。本袋帯をはじめ、引箔、錦と綴地の併用など、手織りならではの帯地が機にかかり、少しずつ織り進められています。いずれも滋賀喜の歴史と職人の方々の技があってこそ生まれる美しい帯地です。
滋賀喜織物では手機の技だけではなく、糸や箔糸などの素材にもけして妥協はありません。安価な化学繊維の箔糸が主流になってしまった西陣で、和紙を柿渋で染め、漆で本金銀箔を張り、細く細く裁断した昔ながらの箔糸を変わらず使用しています。この細い箔糸を通常の約1.5倍の密度(本数)で一本一本、竹ヘラで丁寧に打ち込んでいきます。滋賀喜を代表する引箔の帯地。驚くほど軽く、箔糸とは思えない柔らかな風合いです。
西陣に機械化の波が押し寄せた時代、多くの機屋が効率化や生産性を求め機械式織機を導入していきました。しかし滋賀喜織物は変わらず手織りの道を選択します。
“合理的な織物ではなく、美しい織物を手掛けたい”
そんな機屋としての誇りと、自分達の感性を信じる道を選んだ滋賀喜織物。
手織りであること。
西陣で織ること。
素材・意匠に拘ること。
常に新鮮さを求めること。
美しい織物を織るための、大切な“こと”を変わらず守り続けています。
上質な引き箔ならではの柔らかな白地と、薄藍鼠色の綴織を併用した地に老松文が織り出されています。引き箔と綴、2つの組織を1つの帯地で織り分ける技は手織りでしか表現できません。滋賀喜織物でも限られた職人しか手掛けることのできない、非常に高度な技術です。タイコ上部から前腹にかけての白い引き箔地は、よくみると所々銀をちりばめた砂子のような仕上がりです。金糸を基調とした絵緯(えぬき・文様を織り出す横糸)が地色に映え、シンプルですが格調高い仕上がりです。
付下から訪問着、留袖などに合わせて頂ければと思います。お手持ちのお着物とのコーディネイトなど、お気軽にご相談下さい
滋賀喜織物 引箔・綴袋帯(薄藍鼠色・老松文)
素材 絹85% 指定外繊維(和紙・箔)15%
長さ 約4.6m
巾 約31cm
納期 寸法確定後約25日*お急ぎの場合はご相談下さい。
着用時期 9月〜翌年5月(秋単衣・袷時期)
■参考市場価格について
参考市場価格は、全国の百貨店・呉服専門店・インターネット通販等の平均的な価格を表記させて頂いております。
■お仕立てについて
弊店にて検品後、弊店の基準に合格した国内の熟練の和裁士さんにお仕立てをお願いしています。帯芯の堅さや、寸法のご相談などございましたら、お申し付けください。
>お仕立てについての詳細はこちら
■お手入れについて
日常のお手入れは、部分的なしみ落としで十分です。長期間の保存の前や、全体の汚れが気になる場合は、ドライクリーニングをお薦めしています。ご家庭での水洗いは出来ませんので、ご注意下さい。
■色について
HP上の商品の色は可能な限り、現品に近づけてはおりますが、お客様のご使用のパソコン、OS、ディスプレイ(モニター)により色味が異なる場合がございます。何卒ご理解頂きますよう、お願いいたします。*パソコンで綺麗に表示されない場合、iphoneやスマートフォンからアクセスして頂くと、綺麗に表示される場合があります。
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■滋賀喜織物について
織物の聖地、京・西陣。かつてはいたるところで機織りの音が聞こえ、帯地を中心に、盛んに織物が生産されていました。しかし現在では、その多くが西陣以外の場所…続きは下記をご覧ください。
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