織物の聖地、京・西陣。
かつてはいたるところで機織りの音が聞こえ、帯地を中心に盛んに織物が生産されていました。しかし現在では、その多くが西陣以外の場所で、そして機械式織機によって生み出されています。“西陣・手機”の帯地に拘る、のこり僅かな機屋。その中で、今回は盡政(じんせい)をご紹介します。
盡政(織匠盡政)は西陣で修業を重ねた岡田さんが興した機屋です。15才から西陣の名門 河村織物で修行を始め、25年後の1993年に独立。河村織物の先代である河村政夫氏への恩義の気持ちから、新しい屋号には、"政"の一文字を入れられたとお聞きしています。創業から27年、現在では西陣の中でも指折りの機屋として知られています。

光によって表情を変える糸使い…
盡政の帯は、埋め機(うめばた)と呼ばれる高機で織り上げられています。
機場の土間を掘り下げ、機を地中に置く事で、年間を通して湿度と温度を一定に保ちます。これにより緯糸の打ち込みが均一となり、風合いの良い、美しい仕上がりとなります。西陣の伝統的な技法として受け継がれていましたが、機械化や効率化の流れの中で廃れ、現在はほとんど見られなくなっています。
そして機や織の技術だけではなく、選び抜かれた極細の生糸や昔ながらの技法で丁寧に作られた箔糸など、使用する素材にもけして妥協はありません。“合理的な織物ではなく、責任の持てる美しい織物を手掛けたい” そんな機屋としての誇りと丁寧な仕事ぶりは、織りあがった帯地を通してひしひしと伝わってきます。

品の良い箔糸の美しさ…
前置きが大変長くなりましたが、「富貴松韻文」と名付けられた盡政の袋帯です。
深みのある黒紅色の地に、襷取りの松菱が織り出されています。様々な太さや色目、配置などが絶妙にコントロールされた箔糸の美しさ。しっかりとした存在感のある帯地ですが、やはり帯として、着物と着る人を引き立てる、そんな"余白"も感じさせてくれます。
きっと私の拙い文章と写真では、この袋帯の美しさの半分もお伝えできていないと思います。ぜひお手に取って、手仕事の素晴らしさをご覧頂ければ幸いです。付下から訪問着、留袖などに合わせて…お手持ちのお着物とのコーディネイトなど、お気軽にご相談下さい。
盡政 唐錦袋帯(富貴松韻文・別織本金箔)
素材 絹100%
長さ 約4.6m
巾 約31cm
納期 寸法確定後約20日*お急ぎの場合はご相談下さい。
着用時期 9月〜翌年5月(秋単衣・袷時期)
着物合せ 付下・訪問着・留袖等
■お仕立てについて
弊店にて検品後、弊店の基準に合格した国内の熟練の和裁士さんにお仕立てをお願いしています。帯芯の堅さや、寸法のご相談などございましたら、お申し付けください。
>お仕立てについての詳細はこちら
■お手入れについて
日常のお手入れは、部分的なしみ落としで十分です。長期間の保存の前や、全体の汚れが気になる場合は、ドライクリーニングをお薦めしています。ご家庭での水洗いは出来ませんので、ご注意下さい。
■色について
HP上の商品の色は可能な限り、現品に近づけてはおりますが、お客様のご使用のパソコン、OS、ディスプレイ(モニター)により色味が異なる場合がございます。何卒ご理解頂きますよう、お願いいたします。*パソコンで綺麗に表示されない場合、iphoneやスマートフォンからアクセスして頂くと、綺麗に表示される場合があります。
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